大問1
我々が住む地球を含め以外にも、太陽系には様々な惑星が存在する。それらを以下にまとめる。
水星

・太陽系で最も小さい惑星
・大気組成はH2, O2に次いで(A)を多く含む
・太陽に最も近いので、公転速度は88日と最も速い
・大気が殆どないため、大昔に出来たクレーターがたくさん残っている
水星のクレーターには、音楽家や作家など、芸術家の名前が付けられている
例として、ソーセキ・クレーター、ホクサイ・クレーター、ムラサキ・クレーター、ヒロシゲ・クレーター、ドビュッシー・クレーター等がある
・ラテン語で「熱」という意味を持つ、(B)盆地や水星唯一の山脈である(B)山脈がある
他にも、ボレアリス平原やオーディン平原といった地形も存在する
金星

・他の惑星と異なり、自転が逆回転方向
・大気は(C)が96%を占めており、昼夜問わず温度が460℃なり非常に高温
・上空を覆いつくす雲から(D)の雨が絶えず降り注ぐ
・ルサルカ平原、アフロディーテ大陸、オッザー山等の地形からなる
特に有名なものとして、(E)大陸にある(F)山が金星最高峰の山がある
火星

・金星と同様に、大気組成は(C)が96%を占める
・大気がとても薄いので、夜はとても冷え込む
・地表の酸化鉄等によって赤い星に見える
・太陽系最高峰の(G)山や最大の谷である(H)峡谷がある
この2つは離れた位置にあり、クサンテ大陸やルナ高原が(H)峡谷と隣り合っている。
実は、(G)は火山である
・水星~火星までを岩石惑星 (地球型惑星)と言い、鉄やニッケルを主成分とする
従って、これらの惑星は全て磁場を持つ
・高緯度地域の(I)は氷で覆われており、その下に凍った氷が存在すると予想されている
ちなみに、このサイトで火星の風の音を聞くことが出来る
http://www.kouseisha.com/text/210630_4qr/4_p035/index.html
木星

・大気組成は(J)が90%を占める
・自転方向に帯状の雲が出来るため、白や茶色の独特な縞模様が見られる。
・公転周期は12年であり、黄道十二星座の中を1年にちょうど1つずつ移動する
・(K)と呼ばれる巨大な風の渦巻きを持つ
・核には岩石・氷を持っている
・厚い大気に包まれたガス惑星なので、地球のような固い地面は存在しない
土星

・木星と同様に、大気組成は(J)が93%を占める
・大きく美しい環を持つ惑星で、この輪は大小無数の氷から出来ている
・公転周期は29.5年であり、半期ごとに土星の環が見えにくくなる
・密度が最も小さい惑星であり、0.7g/cm3と水よりも軽い
・土星周りの衛星を、総称して(L)と呼ぶ。(L)の重力によって、土星の環を構成する粒子が拡散されるのを防いでいる。土星最大の衛星は(M)であり、厚い大気で覆われておりメタンの雨が降ると言われている。(M)にはCH4やC2H6の河川や湖が存在するとされている。他にも、ミマス、エンケラドゥス、テティス、ディオネ、(M), (N), (O), フェーベ等がある。
・エンケラドゥスの大地は氷で覆われており、その下に海があると予想されている
・(N)は土星第5衛星で、ウラノスとガイアの娘であり、ゼウスの花である
・(O)は土星第5衛星で、ウラノスとガイアの息子であり、ヘリオス、セレーネ、エオスの父である
・土星の惑星は肉眼でも見えるものがあり、A環とB環の間の事を土星の4つの衛星を発見した天文学者の名前を取って、(P)と呼ばれている
天王星

・大気組成は(J)が83%、Heが15%を占める
・自転軸が太陽の黄道面に対して真横を向いている (黄道面とは、公転の軌道面の事)
そのため、太陽が昇り続ける場所と一切昇らない場所が何年も続くという現象が起こる
・綺麗な青緑色をしているが、3番目に多い(Q)が赤色の光を吸収しているからである
・天王星の衛星には、ミランダ、アリエル、ウンブリエル、ティターニア、オベロンといった、(R)や(S)の小説に登場する人物から取られている
海王星

・大気組成は(J)が80%、、Heが19%を占める
・公転周期は165年と、太陽系の惑星の中で最も遅い
・これらが無数の氷の粒になって、雲のように浮かんで見える
・平均気温は-200℃程度であり、天王星と同様、(Q)が赤色の光を吸収しているため青く見える
・内部にNH4、H2O、(Q)が凍った氷の海が存在する
・表面が周囲より黒くまだら模様に見える(T)と呼ばれる現象が見られる
・海王星の衛星はネレイド、プロテウス、トリトン、ナイアド等、海に関係するギリシャ神話の登場人物から取られている
問1. 水星について、空欄(A), (B)に入る言葉を答えよ。
問2. 金星について、空欄(C)~(F)に入る言葉を答えよ。
問3. 火星について、空欄(G)~(I)に入る言葉を答えよ。
問4. 木星について、空欄(J), (K)に入る言葉を答えよ。
問5. 土星について、空欄(L)~(P)に入る言葉を答えよ。
問6. 天王星について、空欄(Q)~(S)に入る言葉を答えよ。
問7. 海王星について、空欄(T)に入る言葉を答えよ。
大問1 答え
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問1. A. Na (ナトリウム), B. カロリス
問2. C. CO2 (二酸化炭素), D. H2SO4 (濃硫酸), E. イシュタル (大陸), F. マクスウェル (山)
問3. G. オリンポス (山), H. マリネリス (峡谷), I. 極冠 (きょっかん)
問4. J. H2 (水素), K. 大赤斑 (だいせきはん)
問5. L. シェパードムーン M. タイタン, N. レア, O. ヒュペリオン, P. カッシーニの間隙
問6. Q. CH4, R. (ウィリアム・)シェイクスピア, S. ホープ (RとSは順不同)
問7. T. 大暗斑/大黒斑 (だいあんはん/だいこくはん)
大問2
惑星の定義を改めて書き出すと、
- 恒星の周囲を公転し、十分な大きさを持つ天体である事
- 自身の重力によって、球形になることが出来るだけの質量を持っている事
- 公転軌道上に、他の天体を排除している事
である。改めて準惑星の定義は、
- 恒星の周囲を公転し、十分な大きさを持つ天体である事
- 自身の重力によって、球形になることが出来るだけの質量を持っている事
- 公転軌道上に、他の天体を排除していない事
- 衛星でない
となる。宇宙には、このほかに小惑星という天体も存在する。イトカワやリュウグウ、ダクティル、ベスタ等が代表例である。小惑星の定義は、
- 太陽を回る惑星より小さく、丸くなれる程質量を持っていない天体
となる。イトカワは地球と太陽の間辺りを公転している。この小惑星は宇宙開発・ロケット開発の父と呼ばれる日本の科学者(A)にちなんで命名された。
地球と宇宙の境目は、明確な境界線が存在しない。そこで、ある科学者が高度100kmの仮想線を宇宙との境界線として定義した。これを(B)と呼ぶ。(B)は熱圏に位置する。オゾン層の限界が高度50kmであり、それよりも高い位置にある。流れ星がちょうど(B)の辺りに位置する。オーロラが位置するのは(B)より少し上である。
ちなみに、国際宇宙ステーション (ISS)が位置するのは、(B)よりもはるかに高く、高度(C)kmくらいの位置である。
問1. 空欄(A)~(C)に入る言葉を答えよ。
大問2 答え
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問1. A. 糸川英夫 (いとかわひでお), B. カーマンライン, C. 400 (km)
大問3
星はどのように誕生するのだろうか?
宇宙空間には様々なガスや塵が漂っている。このガスは星の間にある事から星間ガスと呼ばれ、H2を主成分とする。星間ガスが多数集まっている領域の事を(A)と呼ぶ。星間ガスが集まり、(B)と呼ばれる星の赤ちゃんが誕生する。(B)が盛んに形成されている領域を星形成領域という。巨大な(A)の限られた領域の中で星が集団で生まれる場所がある。それを(C)や(D)と呼ぶ。(C)はお互いが動的に結びついてるものであり、(D)は星同士の動的な結びつきは弱い。
(B)の特徴として、収縮と周りのガスの降着による重力エネルギーで輝いており、表面温度は低く、主に赤外線で赤く輝く。
星形成領域の有名なものとして、M42 (オリオン大星雲)やりゅうこつ座にある(E)星雲にあるコズミッククリフがある。これは(F)宇宙望遠鏡によって撮影された。
(C)は10~100光年 (1~10pc)程度の大きさを持つ。この範囲の中に、10~1000個ほどの恒星があるものを(G)と言い、数万個~数十万個ほどの構成があるものを(H)という。
(G)は有名なものとして、おうし座にあるM45 (プレアデス星団)と、同様におうし座にあるM25 ((I))がある。M45は太陽系から443光年、(I)は太陽系から160光年の位置にある。
他にも、かに座のM67やケフェウス座のNGC188は非常に古くから存在する(G)である。
(H)は有名なものとして、ケンタウルス座の(J)がある。1つのボールのように集まった星々のため、バイエルはかつて1つの星だと勘違いしたためにバイエル符号を誤って与えられている。その名残から現在もこの名で呼ばれている。
同様な理由で、(G)であるペルセウス座のh星団とχ星団にもギリシャ文字が振られている。(こちらは2つの星団が重なって見える二重星団)
他にも、りょうけん座のM3、さそり座のM4、ヘルクレス座のM13も(H)である。
星間ガスから誕生した(B)は、周囲の星間ガスをさらにかき集め、収縮しながら前(K)→(K)と呼ばれる原初の星になる。(K)はHからHeを合成する核融合反応で安定して輝いている状態の星で、大部分をこの状態で過ごすことになる。M45 (プレアデス星団)等、明るい(G)の殆どは(K)となる。
(K)の例として、ベテルギウス、アンタレス、アルデバラン、アークトゥルス、ポルックスがある。
(K)の時期が終わった後、星が膨張して半径が大きくなり、表面温度が低下して、巨大に赤く輝くようになる。これを(L)と呼ぶ。
(L)の例として、プロキオン、レグルス、ベガ、アルタイル、フォーマルハウトがある。
問1. 空欄(A)~(F)に入る言葉を答えよ。
問2. 空欄(G)~(J)に入る星団を答えよ。
問3. 空欄(K), (L)に入る言葉を答えよ。
大問3 答え
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問1. A. 分子雲, B. 原始星, C. 星団, D. 星落 (別名:アソシエーション), E. イータ・カリーナ星雲, F.ジェイムズ・ウェッブ (宇宙望遠鏡)
問2. G. 散開星団, H. 球状星団, I. ヒアデス星団, J. ω (オメガ)星団
問3. K. 主系列星 (しゅけいれっせい), L. 赤色巨星
原始星→全主系列星→主系列星→赤色巨星となっていくのである。
問4
星座の明るさは古くから多くの科学者によって求められてきた。古代ギリシャの天文学者(A)は、肉眼で見える星の中で最も明るく見える21個の星を1等星、肉眼でギリギリ見える星を6等星として定義した。その後、ドイツの法律家(B)が1603年に著書『ウラノメトリア』の中でギリシャ符号を用いて表す表現方法を考案した。これを(B)符号と呼ぶ。明るい順にα, β, γ, …と番号を割り振られているが、当時は目視観測だったため精度も低く、後に絶対等級で比較をするとα星よりもβ星の方が明るい星だったと分かった星もいくつかある。現在はこと座のベガを1等星とするベガ等級(ベガを0等星として定義した等級)を基に、1.5等級以上を1等星を定義している。以下に有名な1等星をいくつか紹介する。
・おおいぬ座のα星(C)は、全天88星座のうち最も明るい恒星である。古代エジプトではこの星が現れる時期にナイル川の氾濫が起こったので、その目安にしていた。ただし、現在その位置が変わっているので、この方法は使えなくなっている。
ベガ等級 では、(C)は-1.5等級になる。
・(A)に次いで、全天88星座の中で2番目に明るい恒星はりゅうこつ座のα星の(D)である。トロイ戦争で活躍した、スパルタのメネラウスが率いる船団の水先案内人の名前に由来する。
・(D)に次いで3番目に明るい恒星はケンタウルス座のα・ケンタウリである。
・ギリシャ語で「熊を追うもの」という意味があり、4番目に明るい恒星はうしかい座の(E)である。
・1等星を2つ持つ星座は、オリオン座、ケンタウルス座、(F)である。
オリオン座の1等星は、アラビア語で「巨人の左足」という意味の(G)とアラビア語で「脇の下」という意味の(H)である。その色合いから、日本では(G)を源氏星、(H)を平家星と呼んでいる。地球から見ると、一見同一球面上に位置するように見えるが、実はその位置はかなり離れている。(G)は地球から約700光年の位置にあり、(H)は約500光年の位置にある。(H)は赤色超巨星に分類され、その直径は太陽の約900倍にも及ぶ。仮に太陽の位置に置いた場合、火星までもすっぽりと覆ってしまうくらい大きい。
太陽・月・太陽系の惑星は、ギリシャ神話の主神ゼウスの親族から命名されている。これをまとめたものが以下の表である。
太陽/惑星 | 英語名 | 記号 | ギリシャ神話の神 | ローマ神話の神 | ローマ神話の英語読み |
太陽 | Sun | ☉ | アポロン (ゼウスの息子) | アポロ | アポロ |
地球 | Earth | (記号無し) | ガイア (ゼウスの祖母) | テラ | ガイア |
月 | Moon | ☽ | アルテミス (ゼウスの娘) | ディアナ | ダイアナ |
水星 | Mercury | ☿ | ヘルメス (ゼウスの息子) | メルクリウス | マーキュリー |
金星 | Venus | ♀ | アフロディーテ (ゼウスの娘) | ウェヌス | ヴィーナス |
火星 | Mars | ♂ | アレス (ゼウスの息子) | マルス | マーズ |
木星 | Jupiter | ♃ | ゼウス | ユピテル | ジュピター |
土星 | Saturn | ♄ | クロノス (ゼウスの父) | サトゥルヌス | ユアラナス |
天王星 | Uranos | ♅ | ウラノス (ゼウスの祖父) | ウラヌス | ウラヌス |
海王星 | Neptune | ♆ | ポセイドン (ゼウスの兄) | ネプトゥヌス | ネプチューン |
他にも、星座も同様にギリシャ神話が由来とされている。星占いで有名な黄道十二星座を例に挙げる。
・アフロディーテとその子エロスの変身した姿とされるのが(I)座である。
・牧神パンの変身した姿とされているのが(J)座である。
・ヘルメスの遣わした空飛ぶ金毛の動物とされているのが(K)座である。
・美少年ガニメデの姿とされ、黄道十二星座の中で唯一生物以外がモチーフになっているは(L)座である。
・プルートにさらわれた農耕神デメテルの姿とされているのが(M)座である。
・ヘルクレスの10個の冒険初討伐となる、ネメアの(N)退治が由来とされるのは(N)座である。
・ヘルクレスを嫌っていた女神ヘラが、ヘルクレスとヒュドラが戦っている際にヘルクレスの足を切るように差し向けたのが(O)座である。
星座以外に、年月の名前もギリシャ神話が由来である。4月 (April)と5月 (May)はそれぞれ、アフロディーテと豊穣の神・マイアを由来としている。古代ローマで使われていたロムルス暦では、農業を行わない冬の期間である1月と2月には月が割り振られておらず、3~10月までしかなかった。なので、9月 (September)から12月 (December)はラテン語で7番~10番目の月という意味の言葉に由来している。その後、1年を12月まで拡張したユリウス暦を作成した功績として、7月と8月はそれぞれ、7月 (July)はジュリアス・シーザーに、8月 (August)はアウグストゥスに由来して命名された。
問1. 空欄(A),(B)に入る人名を答えよ。
問2. 空欄(C)~(H)に入る恒星・星座を答えよ。
問3. 空欄(I)~(O)に入る星座を答えよ。
大問4 答え
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問1. A. ヒッパルコス, B. (ヨハン・)バイエル
問2. C. シリウス, D. カノープス, E. アークトゥルス, F. みなみじゅうじ座, G. リゲル, H. ベテルギウス
問3. I. うお (座), J. やぎ (座), K. おひつじ (座), L. みずがめ (座), M. おとめ (座), N. しし (座), O. かに (座)
記号の由来としては、
・水星 (☿) : ヘルメスの2匹の蛇と杖がモチーフ
・木星 (♃) : ゼウスの雷がモチーフ
・土星 (♄) : ローマ神話の農耕の神サトゥルヌスの鎌がモチーフ
・天王星 (♅) : 発見者ウィリアム・ハーシェルの頭文字(H)があしらわれている
・海王星 (♆) : 海神ポセイドンの鉾がモチーフ
ちなみに、冥王星 (♇)はPLutoのモノグラムがモチーフ
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