ビタミンの定義
ビタミンの定義は以下2つを満たすものである
- 人が必要とする栄養素のうち、タンパク質、脂質、炭水化物、無機物以外のもの
- 代謝に必要だが、”人体が生成することが出来ない”もしくは”生成出来ても必要量生成することが出来ない”ため、食品からの摂取が必要なもの
ビタミンの由来
ビタミンは”vital(必須な)”+”amin(アミン)”を組み合わせた造語である。
1910年、農科学者の鈴木梅太郎が米ぬかの中に「脚気(かっけ)」を予防する成分を発見し、その成分を「オリザニン」と命名した。
その翌年の1911年、ポーランドの生化学者カシミール・フンクが同一成分を発見し、これをビタミンと命名しだしたのがはじまりである。現在はこの成分はチアミン(B1)と呼ばれている。チアミンにはアミン構造があり、アミン構造が必須と思われたことから最初は”vitalamine”と命名された。

その後、ハンガリーの生理科学者ジャック・ドラモンドがオレンジ果汁の中に壊血病を防ぐ物質、ビタミンC (アスコルビン酸)を発見した。ビタミンCはアミン構造が無かったことから、ドラモンドはアミン構造が必要ではないと思ったことから”e”を除いた”vitalamin”と名称を変更したのでる。
これが現在使われているビタミンの英語名”vitamin”になったのである。
ビタミンは全部で13種類存在する。大きく分けて、脂溶性ビタミン4つ(A, D, E, K)と水溶性ビタミン9種(ビタミンB群, C)に分類される。
脂溶性ビタミン
脂溶性ビタミンはビタミンA, D, E, Kの4種類である。
- ビタミンA
別名 : レチノール
夜盲症(暗いところで視力が低下する病気)を防ぐことが出来る。
皮膚や粘膜の健康維持のために使われる。真皮に働きかける事でたるみや毛穴対策になる。
レバー、うなぎ、にんじん、カボチャなどに含まれる。
βカロテンは体内でビタミンAに変換される物質であるため、βカロテンを摂取しても良い。 - ビタミンD
別名 : カルシフェロール
くる病(骨の石灰化障害)を防ぐことが出来る。
腸管でのCaの吸収を行うことが出来る。
きくらげ、しらす、舞茸などに含まれる。 - ビタミンE
別名 : トコフェロール
抗酸化作用、美白、色素沈着改善の作用がある。
ゴマ、アーモンド、落花生、たらこなどに含まれる。 - ビタミンK
別名 フィロキノン (K1)、メナキノン (K2)
2種類存在する。
血液凝固を維持することが出来る。そのため、心筋梗塞などの血餅の原因になる。そこで、ワルファリンというビタミンK依存の血液凝固因子の生合成を阻害する物質を投与する事がある。
水溶性ビタミン
水溶性ビタミンはビタミンB群と呼ばれる8種とビタミンCの計9種になる。
- ビタミンB1
別名 : チアミン
脚気(心不全や抹消神経障害)を防ぐことが出来る。
豚肉や米に含まれる。 - ビタミンB2
別名 : リボフラビン
B6ともに口内炎や口角炎、口唇炎を防ぐことが出来る。
皮膚や粘膜の健康維持に使われる。
レバー、しいたけ、乳製品、卵に含まれる。 - ビタミンB3
別名 : ナイアシン(ニコチン酸、ニコチン酸アミド)
ペラグラ(皮膚炎、下痢、認知症)を防ぐことが出来る。ペラグラとは、イタリア語で「皮膚の痛み」という意味。
レバー、きのこ類、たらこ、かつおに含まれる。 - ビタミンB5
別名 : パントテン酸
ギリシャ語で「至る所に」という意味。
多くの食品に含まれているため、欠乏症はほとんど発症することはない。 - ビタミンB6
別名 : ピリドキシン
B2ともに口内炎や口角炎、口唇炎を防ぐことが出来る。
魚類(カツオ, マグロ)、レバー、バナナ、じゃがいも、にんにくに含まれる。 - ビタミンB7
別名 : ビオチン
脱毛、吐き気、うつ、皮膚炎を防ぐことが出来る。
ブロッコリーや舞茸に含まれる。 - ビタミンB9
別名 : 葉酸
B12とともに葉酸欠乏性貧血を防ぐことが出来る。
葉酸は細胞核のDNA合成に必要である。加えて、胎児の正常な発育に寄与している。
野菜、きのこ、魚介、海藻、果物に含まれる。 - ビタミンB12
別名 : シアノコバラミン
貧血やハンター舌炎(舌が平らになったり、赤くなる)を防ぐことが出来る。 - ビタミンC
別名 : アスコルビン酸
皮膚や粘膜の健康維持に使われる。
また、抗酸化作用があるので美容製品に多く含まれる。
ビタミンの命名規則
ビタミンにはなぜF~Jが無く、急にKが出てきたのだろうか?また、B群とは何だろうか?
それはビタミン発見の歴史を見ていくと分かっていく。
ビタミンが発見され始めた当初、オリザニン(ビタミンB1)に続いて現在のビタミンAが発見された。B1は水溶性、Aは脂溶性だったため、違いとしてAが付けられたのである。そしてビタミンCが発見された。それに続いて多くのビタミンが発見され続けていき、D, E, F, G, …と命名されていった。
その後、発見された内容を調べなおしていくと、重複している物やビタミンの定義に満たない物、そして1つだけでなく複数の成分が相互作用しあう事で効果を出すものがあることが分かっていた。
重複している物や定義を満たしていないものを削除して行く事で欠番が生まれていったのである。そして、相互作用しあうもの同士はビタミンB群としてまとめられたのである。

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